絵本『いのちをいただく』。

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昨年、内田美智子先生の講演会で買った絵本です。

食肉加工センターに勤めている坂本さんのお話です。
坂本さんの仕事は、牛を殺してお肉にすること。
坂本さんはこの仕事が嫌で
「いつかやめよう。いつかやめよう。」
と、思いながら仕事をしていました。

坂本さんには、小学3年生のしのぶ君という子供がいます。
ある日、授業参観に行きました。
その日は「いろんな仕事」という内容の授業でした。
しのぶ君は、お父さんの仕事を
「かっこ悪い。」と思っていたので
「普通の肉屋。」と答えました。
でも、先生があとで
「坂本くんのお父さんが仕事をしないと、
みんな肉ば食べれん。すごか仕事ぞ。」
と言ってくれました。

そして、ある時、坂本さんが仕事をしていると、
明日殺される予定の牛が運ばれてきました。
その牛には、10歳ぐらいの女の子が付き添っていて
「みいちゃん、ごめんね。」
と話しかけていました。
その家では、みいちゃんを売らないと生活できないため
仕方なくみいちゃんを売ることにしたそうです。

坂本さんは、次の日仕事を休もうと思いましたが
しのぶ君に
「心ない人が殺したら、牛が苦しむ。
お父さんがしてやんなっせ。」
と言われ、仕事に行きました。

牛を殺し 解体するその時、
坂本さんが
「みいちゃん、じっとしとけよ。
動いたら急所をはずすけん、余計に苦しむ。
じっとしとけよ。」
と言うと、
みいちゃんは大粒の涙をこぼし
全く動かなかったそうです。

後日、みいちゃんちのおじいちゃんが来て
「みいちゃんの肉を少し分けてもらい、食べました。
孫は、最初、泣いてて食べなかったけど、
みいちゃんのおかげでみんなが暮らせる。
みいちゃんに感謝して食べてやれ。
と、言うと、孫は
みいちゃんいただきます。
ありがとう。おいしかぁ、おいしかぁ。
と言って食べました。」
と言いました。

坂本さんは、もう少し仕事を続けてみようと思ったそうです。

この絵本を読んで
毎日食べるもの全てに命があるのだと、思いました。
魚・卵・野菜・お米、全てに命がある。
食べなければ生きてはいけない。
生きることは、命をいただくこと。
私たちは毎日、多くの命に支えられているのだと思いました。

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